女性クリエイターの本棚:「となりのヘルベチカ」で知る、好きなフォントはどんな人?

女性クリエイターの本棚:「となりのヘルベチカ」で知る、好きなフォントはどんな人?

デザイナーの久米です。今回はおすすめの書籍を紹介します。

みなさんには「好きなフォント」はありますか?

私は、欧文(アルファベット)なら「DIN」や「Bodoni」、日本語なら「A1明朝 」や「ヒラギノ角ゴ 」が好きで、デザインするときによく使っています。

フォント、と一口に言っても、その特徴は千差万別。世界中に数えきれないほどたくさんのフォントが存在しています。

私が今回おすすめする本は、そんな「フォント」の特徴を気軽に学べる漫画「となりのヘルベチカ」です!


簡単なあらすじ

主人公は、小さなデザイン事務所の「営業担当「の「丸栖」さん。
ある日とつぜんデザイナーが失踪し、
代わりにロゴデザインを引き受けることになってしまいました。
営業だからデザインを作ったことはないし、書体知識ゼロ!悩む彼女のもとに、「ヘルベチカ」を名乗る男が現れて、気づいたらフォントの世界に……!
様々な「フォント」たちと直接話すことで、それぞれの書体の成り立ちや特徴を学んでいく、というお話です。


本書では、「擬人化されたフォント」たちを中心に、4コママンガやコラムでそれぞれの書体の成り立ちや特徴がされていて、気軽に楽しみながら、多数の欧文フォントを学ぶことができます。

出展:「となりのヘルベチカ マンガでわかる欧文フォントの世界」芦谷國一 (著, イラスト), 山本政幸 (監修)/フィルムアート社 


作中に登場する、擬人化された欧文フォントたちは25種類!

映画にもなった超有名書体ヘルベチカ、英国紳士のギル・サンなど、個性豊かな欧文フォントたちが、フォントの特徴や、成り立ち、使用例など役立つ豆知識を漫画を通して教えてくれます。

書体の特徴がキャラクター化されているので親やすく、そのフォントが持つ雰囲気や生まれた歴史がキャラクターデザインに反映されているので、より理解しやすくなっています。

また、1つ1つのフォントごとに見た目も性格も違うので、何気無い会話や表情から、そのフォント「らしさ」を感じられて面白いんですよね。
フォント好きな人は「わかるー!」「あるある!」と、ニヤッとしてしまうシーンも多いのではないでしょうか?

個人的に面白かったのが、そのフォントが実際に使われているブランドや商品が、漫画の中に登場するところです。
例えば、「Optima」さんのカフェに「ゴディバ」のチョコが届いたり、「Garamond」ちゃんが「ロクシタン」のハンドクリームをプレゼントしてくれたり……。


この漫画を読んでから、仕事でデザインしているときや、街中で文字を見かけたときなど、日常のふとした瞬間にフォントたちの顔が浮かんで、つい「ふふっ」と思い出し笑いしてしまいます。

普段からフォントに触れているデザイナーはもちろん、お子さんや、デザイン以外の職種の方がフォントや文字に興味を持つ「入門書」としてもおすすめです。

4コマでさらっと読めて、絵柄もかわいいので、フォントを勉強するためのデザイン書籍としてだけでなく、漫画としても楽しめる作品です。

ご家族や、職場、お友達など、いろんな人と好きなキャラや感想を語り合うのも面白そうですね!
ちなみに私が好きなのは…やっぱり「DIN」と「Bodoni」かな。

どんなフォントがいるのか、自分の好きなフォントはどんな人なのか、ぜひ読んで確かめてみてください!