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見込み客をロジカルに選別し成約につなげる手法「マーケティング・オートメーション」とは?

pixta_8375348_Lテクノロジーの進化はとどまることを知りません。この数年間で購買行動が急速にデジタル化していることはみなさんの生活の中でも強く感じている事かと思います。

我々はテレビやスマートフォン、ラジオや街中の看板広告といったありとあらゆるメディアに囲まれ、絶えず様々な情報を無意識のうちにインプットしています。気づけば興味のある商品の情報をスマートフォンで収集し、詳細スペックや予算、到着日時に納得がいけば即購入。または時間を置いて吟味したうえで、自宅のPCや職場のPCで購入などという風に、リアルの店舗などでプロダクトを手に取り実物を確認することなく「デジタルチャネルでの検討からそのまま購買に踏み切る」という流れがごく一般的となっています。そのため、企業側・小売店もそういった消費者行動に応じたマーケティングの実施が求められる時代になってきました。

「マーケティング・オートメーション」とは?

そのようにユーザーの動機や行動がある程度デジタルデータとして取得できることから、見込み客の傾向などの情報を一元管理し、ユーザー1人1人の状態を適切に選別しながらかつ顧客の育成を行うという、マーケティング・オートメーション/Marketing Automation(以降、MAと表記)という概念が2014年頃に誕生しました。MAとは、アプリやソーシャルメディア、SEO/SEMやディスプレイ広告などを活用し、企業のマーケティング活動における実行作業をオートメーション化しようとする考え方。またはそのための機能がパッケージされているツールのことを指します。

米国では先んじて、MAによってマーケティング業務を実務レベルでワークフロー化し、必要な部分をMAのツールで自動化できるような大きなムーヴメントが起きました。そこから関連ツールのベンチャー企業が躍進したのは言うまでもありません。

MAの基本的な考え方は「One to Oneコミュニケーション」「One to Oneマーケティング」という言葉に集約されています。消費者との1対1の対話を実現するMAは、日本でも少しずつではありますが、多岐に渡る業種・業態、商品に対して必要であるとの見解が出ており、特に購買までに長期の検討を必要とする商品(不動産、自動車、金融・保険など)を中心に導入が進みつつあります。

今後の展開としては、購買行動後にも、購買後の既存顧客に対してレコメンドやIoTにて取得できる情報(住宅内設備の使用頻度や劣化状況)に応じてメンテナンス情報を送るなど、単に購買促進を行うだけでなく、顧客サービス自体がより高精度になっていくと考えられます。

WEBにおける広告もスタンダードが変わる?

それでは、WEB上での販促行動にはどういった変化が起きてくるのでしょうか。現在はCookieでのトラッキングを行って消費者行動傾向を仮定する、サードパーティーのデータベースを利用したいわゆる「DMP広告(リターゲティング広告など)」が主流となっていますが、これらはアルゴリズムの定義が曖昧であり、また表示回数や追っかけの度が過ぎてエンドユーザーが不快感を募らせ、マーケターはおろか、わざわざアドブロックツールで広告を非表示にするほど、一般消費者にも「適切でない」というイメージが定着しつつあります。

そこで、これまで以上にファーストパーティーのデータの活用が重要視されるのではないかと私は予想します。自社で持ちうるその情報の中には、既に性別や年齢、住んでいる地域、使用しているスマートフォンの機種などより詳細なものが含まれています。その見込み客一人ひとりのWEB行動を可視化することが出来れば、より確実性の高い広告の配信が可能となります。初期段階においてのトライ&エラーは必要不可欠となりますが、辛抱強く解析し続けることによって、ユーザにとって非常に魅力的で、精度の高い提案が出来るようになってくるでしょう。

今後は顧客の心理状況を読み解く力がより必要に

配信される広告が見込み客の目や耳に触れヒットするかどうかは、いかにしてユーザーの精神状態や心理状況に合ったメッセージを伝えるかどうかにかかっています。商品に対して知識や見識がある場合は良いのですが、リテラシの低い見込み客に「PRICE DOWN」の内容をプッシュしたところで響くことはまずないでしょう。価格に関してタイムリーに反応がある客層というのは、購入の有無に迷うほど購買欲求が高まっている層に限定されます。逆にリテラシの低い層には、抱えている問題を解決するために、その商品がどれだけ効果を発揮するか。などといった課題に訴求したメッセージをダイレクトに伝えていかなければなりません。

このような見込み客をMAの基本概念である「One to Oneコミュニケーション」のスタンスで、それぞれの行動パターン(どのようなキーワードで検索するか、どのようなサイトを閲覧するかなど)や利用デバイス傾向をDB化しシナリオを立てることで地道にターゲティングを行い、見込み客1人1人に適したアプローチを行っていくことが必要不可欠です。

ここまで述べてきた通り、MAについてはコストをかけてツールを導入することだけが全てではありません。繰り返しとなりますが、MAを効果的に導入するためには、自前の商品の特徴・特性を充分に理解したうえで、ターゲットとなる顧客を1人1人入念に分析することです。また、導き出された客層に合わせて組織や業務プロセスなどを柔軟に対応させることで、よりMA導入の効果を実感できることでしょう。